『十三人の刺客』吾郎ちゃんの悪役!

b0109481_875424.jpg先週末。「わっ、今日で終わりだ」とあせり、授業のあと、最終日の最終回に観にいきました。
『十三人の刺客』。三池崇史監督。
時代劇、斬り合い、残虐シーン多し、といった、ワタシ的にはニガテな要素があるとはいえ(A^^; 稲垣吾郎さんが出ているのですから、やはり大きなスクリーンで観たかったのであります。

地下鉄を日比谷で降りて歩いていたら、一箇所に人だかりが…あ、神戸屋さんが全品20パー引き(^0^) でもって私もトリプルチーズパンとフランクパイを買い、そのあとスタバでチャイティーラテとシュガードーナツを買い、有楽町スバル座に。
席につき、ラテを飲みながらフランクパイを食べたところで、上映開始。
のっけから切腹のシーン(--;)…ううう、もう、次のパンは食べられません(笑)

ストーリーは、どストレートです。(とはいえこの先は、物語の細かいところにも少々ふれていますので、ご注意ください)

ときは江戸時代末期、弘化元年。
明石藩江戸家老、間宮図書(内野聖陽さん)が老中・土井家の門前で自害(これが冒頭の切腹シーンです)。
それは、明石藩主の暴君、松平斉韶(なりつぐ)(吾郎ちゃんです)の常日頃からの残忍なふるまいをいさめようと、訴状を残してのものでした。
だが斉韶には、なんの咎めもくだされません。
将軍・家慶の異母兄弟である斉韶は、年が明ければ、老中職に就くことが決まっていました。

斉韶にまつりごとをまかせては、たいへんなことになってしまう。しかし将軍に背くことはできない…現老中の土井(平幹ニ郎さん)は、考え抜いた末、斉韶暗殺を決断し、御目付役・島田新左衛門(役所広司さん)に決行を命じます。
斉韶に四肢を切り落とされ、家族を皆殺しにされた女性を目の当たりにした新左衛門は、怒りに打ち震え、「天下万民のために」立ち上がり、暗殺の刺客集めに奔走するのでした。

一方、斉韶は、間宮の残された家族達に縄をかけ、至近距離で次々と弓矢で射抜いていきます。
腹心の鬼頭半兵衛(市村正親さん)がとどめるのもきかず、逡巡もせずに、幼い子供にもとどめをさします。あたたかな感情などかけらもないかのような、冷めた表情で。
そのあとの斉韶と半兵衛との会話が印象的でした。確かこのようなやりとりだったと記憶しています。(台詞は正確ではありません)

斉韶「徳川の世も長くはないな」
半兵衛「殿、めったなことを…」(そんなことをおっしゃるものではありません、というニュアンス)
斉韶(薄笑いするような感じで)「余が老中になるのだぞ」

つまり斉韶は、自分のことをわかっているんですね。自身がちゃんと見えている悪漢とそうでない悪漢とでは、その人物像の奥行きが違ってきます。
この役、かなりむずかしいと思うんですが……吾郎ちゃん、すごい! うまいんですよー。
なにごとにもよろこびを見いだせない虚しい男の、酷薄な感じがよく出ていると思いました。

そして斉韶に仕える半兵衛は、かつて新左衛門と剣の同門、互いを尊敬しあう、よきライバルでありました。
その新左衛門が、斉韶を襲う計画をたてているとの情報をつかんだ半兵衛は、なんとかそれを防がなければと思います。

江戸から明石への参勤交代の道中での明石藩を襲うことを決断した新左衛門は、襲撃場所を落合宿に定め、そこに明石藩の行列を誘い込むべく画策を練り、落合宿を要塞へと改造します。
さて、果たして、行列はやってくるのか……。

後半、爆破シーンからの50分の死闘は、息を詰めて見入ってしまいます。
それまで、虚無の只中にいるといった表情の斉韶が、その戦いのシーンでは、初めて、ちょっとワクワクしているような表情を見せます。
斉韶の気持ちは、半兵衛に言う台詞や、ラスト、新左衛門に言う台詞にもあらわれています。それはぜひ、映画でお楽しみください。

ラスト近く、半兵衛と新左衛門の対決も見ものです。

市村正親さんの半兵衛役がいいなあ! 
冷酷で非道な藩主であれど、「忠義」こそが侍の本分、命をかけて、斉韶を護る。
その哀しさが、たまりません。

そして、「天下万民」のためであれ、「忠義」のためであれ、ともかく燃えている男たちの熱さの温度が高まれば高まるほど、それとは対照的な、冷めた斉韶の姿が、くっきり浮かび上がってくるという……ある意味、とてもおいしい役なんですよね、斉韶って。
それを吾郎ちゃんは、みっごと、演じきっていたと思いました。

吾郎ちゃん、ほんとにすごい!!
これからも、がんがん、悪役やってほしいと思います。
あ、もちろん、いい役もですが(笑)

ところで私は、帰ってから、トリプルチーズパンとシュガードーナツを食べました(笑) (^-^)/

by makisetsu | 2010-11-18 08:08 | 映画・舞台の感想など | Comments(0)  

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