2011年 11月 03日
『泣き虫なまいき石川啄木』
前から3列目の席でした。ごいっしょしたEmiさん、今回もよいお席をゲットしてくださって、ほんとうにどうもありがとうございました!
主演の啄木こと、石川一(はじめ)役は稲垣吾郎さん(*^_^*)
物語は、石川節子(啄木の妻。貫地谷しおりさんが演じています) が海岸に療養にきている場面から始まります。
啄木はもう、遠い世界に旅立ってしまったあと……享年27でした。
啄木の二人目の子を宿した、おなかの大きい妻は、啄木が遺した日記を読みふけります。
「日記は焼却してくれ」啄木はそう遺言したのですが……。
場面はかわり、その3年前、明治42年。
本郷の床屋の2階の六畳二間に、一(啄木)と家族が暮らしています。
妻の節子、そして一の母カツ(渡辺えりさん)
妻の妹の光子(西尾まりさん)も夏休みで上京してきていました。
一は新聞社の校正係をしていましたが、小説家として成功したいと願っています。
一の親友、金田一京助(鈴木浩介さん)は、一の才能を信じ、生活苦の一を金銭的に助けてくれるのでした。
石川家の暮らしは、心地よいとは決して言えないものでした。
嫁節子と姑カツの軋轢だけでも重苦しいところへもってきて、一の父(段田さん)が上京してきます。禅僧気取りで、口ばかり達者で生活力のない父が加わったことで、一家の生活は一層、困窮を極めます。節子の家出、浮気疑惑。そしてやがて、病のベールが、家族を包んでゆくのでした……。
えらくおもしろくて、ずしんと悲しいお芝居でした。
いまさらですが、井上ひさしさんてほんとにうまかったんだなあ、と思いました。
お芝居を観ていて、「人間の業の肯定」という、立川談志師匠がよく言ってらしたフレーズが頭のなかに浮かんできて、ぐるぐると渦巻いていました。
もちろん、段田さんの演出もすばらしいのでしょう。そういえば吾郎ちゃん、段田さんとは『ヴァージニアウルフなんかこわくない?』でも共演していましたね。
左ききの吾郎ちゃん、今回も『ぼっちゃま』のときのように右手で筆を持っていました。そういった仕種もですが、膨大な台詞をおぼえるのもたいへんだろうなあ。ほかの仕事だっていっぱいあるのに……。あ、今晩は『ゴロウ・デラックス』に木村さんが出るんですね。楽しみです(^-^)/