芥川龍之介「蜘蛛の糸」

本日は、芥川龍之介「蜘蛛の糸」を朗読しております。

https://youtu.be/LyOci94pczk


芥川龍之介「蜘蛛の糸」_b0109481_19062422.jpg

おなじみのこの物語。初出は、童話・童謡の児童雑誌『赤い鳥』の創刊号(1918(大正7)71日発行)。創作童話「蜘蛛の糸」として発表されています。


『日本沈没』の小松左京氏は、同名のパロディ「蜘蛛の糸」(ショートショート集『役に立つハエ』収載)を書き、そのなかで――

(前略) 

芥川龍之介は、オチョボ口をして、いかにもありがたそうに書いていたが――私はどうも、昔からこの話に腹が立ってならなかった。

(中略)

蜘蛛を助けたのは、彼なのだから、糸の権利は彼だけのものであるのは当然で、危険を感じれば、どなるのも当然だ。――我欲をおこしたから、すくわれそこねた、というが、他をもともに救わんとする心こそ、おのれを救うことになる、などという小うるさい考えが、相手を殺さねば、おのれも殺されるという修羅場を生きてきた泥的に、簡単にわかるはずはないではないか?

しかもシャカときたら、この男にこうしたら、そうなるのはわかっていながら、わざわざ、あだな希望を抱かせるようなことをしたのは――まったくもって残酷な話だ。(後略)


――と、こんなふうにディスったあと(^_^;)犍陀多とお釋迦様が逆転したおもしろい話を書いていますが、私はこの前段のなかの、「オチョボ口をして」というのがツボです~(*^^*)


芥川龍之介「蜘蛛の糸」_b0109481_19102254.jpg


それはさておき、この作品においても、芥川の話の運び方の巧みさと文章の美しさには魅せられます。特に、蓮の描写が好きです。

序盤の、「翡翠のやうな色をした蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が、一匹美しい銀色の糸をかけてをりました」。さりげないですが、きれいな表現ですねえ~°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°


芥川龍之介「蜘蛛の糸」_b0109481_19103904.jpg


玉のように真っ白な蓮の花の、真ん中の金色の蕋からの「なんとも云へない好いにほい」というのは、アタマにもラストにも出てきて、この話に漂う血の匂いをやわらげているようにも感じられますが当の蓮自身は、一連の出来事にも、お釋迦様の思いにも「しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着致しません」とあるのです。こういう書き方が、かっこいいんですよねえ。


ところで糸といえば~、一昨日、抜糸をしてきました。

先週、23日入院して、おやしらずの抜歯をしたので、そのときのです。

むずかしい箇所に埋まっていたのとトシのこともあって、全身麻酔での手術。

執刀医の先生が楽しく頼もしい感じの方で、安心して受けることができました。

無事に終えて、ほっとしています(*’’)


芥川の作品はほかに、仙人」「軽井沢で」「」「カルメン」「ピアノ」「鬼ごっこ」「しるこ猿蟹合戦」「微笑」「南瓜」「詩集」「かちかち山」「も朗読しております。

あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。


「牧野節子のYouTube部屋」

https://www.youtube.com/@makisetsu

よろしかったらどうぞおつきあいくださいませ(^-^)/🎵



Commented by sabertiger54 at 2023-10-02 13:00
初めまして。
私も小松左京先生の「蜘蛛の糸」は好きで全くその通りだと思っております(笑)。
芥川の「蜘蛛の糸」には原作があってそのことを少し書いてみました。
https://flowersforyou.exblog.jp/29605941/
ご興味があればお読みください。
それと芥川龍之介に「女体」という好きな短編があってこちらもyoutubeで色んな方々が朗読を上げていますがこちらも記事にしました。
https://flowersforyou.exblog.jp/29488620/
朗読には確かに心を温かくするものがありますね。これからどうなるかわかりませんが私はAIより人間の声の方が好きです。
Commented by makisetsu at 2023-10-08 01:36
sabertiger54さま
はじめまして。コメントどうもありがとうございます!
ご紹介いただいたページはこれから拝見させていただきますね。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします(^-^)/♪
by makisetsu | 2023-06-23 19:46 | YouTube部屋 | Comments(2)