カテゴリ:映画・舞台の感想など( 125 )

 

『鉄人28号』

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朝日小学生新聞では幾度か作品を連載させていただきましたが、インタビューのお仕事も数年させていただいたことがあります。

もうずいぶん前ですが、横山光輝氏原作、富樫森監督『鉄人28号』が製作されたとき、立花真美役の蒼井優さんにインタビューさせていただきました。

用意された部屋でお会いしたとき、「うわっ、きれい! 顔ちっちゃ!」というのが第一印象。そしてお話をはじめると―蒼井さんは当時まだ十代でしたが―とてもしっかりしてらして、お仕事への真摯な姿勢と情熱を、ひしひしと感じました。

だから今回、蒼井さんの、「山里さんの仕事に対する姿勢を尊敬している」というのに大いに納得しました。どうかどうか、末長くお幸せに!(^-^)/


by makisetsu | 2019-06-06 23:57 | 映画・舞台の感想など | Comments(0)  

『LIFE LIFE LIFE』&『半世界』

b0109481_16594022.jpgヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』から13年、同じスタッフ、キャストでの舞台。当初は『ヴァージニア~』の再演の予定でしたが、諸事情?により、ヤスミナ・レザ作『LIFE LIFE LIFE~人生の3つのヴァージョン~』に。

上演台本・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチさん。渋谷Bunkamuraシアターコクーンで観てきました。


稲垣吾郎さんが演じるのは天体物理学者アンリ。妻はキャリアウーマンのソニア(ともさかりえさん)。寝つかないひとりっ子(声のみ・新谷真弓さん)にいらついている最中に、鳴り響く玄関の呼び鈴。こんな時間に、誰? 突然の来訪者は、アンリの上司のユベール(段田安則さん)とその妻イネス(大竹しのぶさん)でした。ええっ? 翌日のディナーに招いていたのに、間違ってきちゃったの? 

アンリの未来にとって、それは大事な夕食会になるはずだったのに、今日は食べ残しのフィンガーチョコぐらいしかありません。ああ、どうしよう! 焦りまくるアンリとソニア。

そしてこのあと、3つのヴァージョンの物語が演じられていきます。


私はジェフリー・アーチャー(イギリスの作家)の「焼き加減はお好みで(『十二枚のだまし絵』収載)という小説が好きで、拙著『童話を書こう! 完全版』(青弓社)でも紹介していますが、4つの後半がある物語です。1、レア、2、バーント(黒焦げ)、3、オーヴァーダン(焼きすぎ)、4、ア・ポワン(ミディアム)と、作者が提示した「焼き加減」にふさわしいストーリー、結末になっていて、各話のおさまりもいい、粋な物語です。その小説は、後半、登場人物たちの設定が少しずつ違っていたりするのですが

『LIFE LIFE LIFE』は人物、状況の基本的な設定は変わっておらず、観ていてそれぞれの展開を楽しみ、笑いながらも、息苦しさのようなものをおぼえました。いくらヴァージョンが変わったところで正解のようなものはなく、人生というのは、模索しつつ傷つけあいながら生きていくものなのじゃ~そんなことを感じさせてもらったお芝居でした。印象にのこった台詞3つ。

「なにしろあなたは星に囲まれて高ーいところにいる人なんだから」

「幸福感があっというまに無力感に変わる」

「世界のすべてはいつだってすぐ近くにある」

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さて、世界、といえば『半世界』。日比谷のTOHOシネマズで観たのは2か月前。本当に月日が経つのは早いなあ^_^; 阪本順冶監督のオリジナル脚本。

中学の同級生でいまは40歳手前の、男3人の友情がメインの映画です。

ある地方都市に暮らす炭焼き職人、高村紘(稲垣吾郎さん)、自営隊員として海外派遣されていたけれど突然町に帰ってきた沖山瑛介(長谷川博己さん)、中古車販売の仕事を地元でやっている岩井光彦(渋川清彦)。そして彼らそれぞれの家族もからめて描いていく物語。

港を背景にしたシーンだったと記憶していますが、自身の過去に打ちのめされ、そこから逃れられないでいる瑛介に、紘が言う台詞が心にのこりました。

様々な世界を見てきた自衛官、瑛介は「日常に没しているおまえたち(紘たち)」は「なにもわかってない」と思っているのです。

それに対する紘の言葉。「ああ、(俺たちは)世界を知らないからな。言っとくけどな、こっちも世界なんだ」

そうだそうだ! と、私も(映画館のいちばん前の席で)心のなかで拍手(笑)、炭を焼くのも、紘の妻のようにお弁当をつくるのも、そういった日常も立派な世界なんだ! と。

黙々と炭を焼く紘のたたずまいがすてきでした。映画は「虚」の世界ですが、それが「実」に見えるときというのが確かにあり、十数年前観た『黄泉がえり』で草彅剛さんが竹内結子さんとおでんを食べるシーンがすごく自然で驚いたことがあったのですが、吾郎さんの炭を焼くシーンを見て、そのときのことを思い出しました。「この人は本物だ」と感じさせてくれる映画は、(『十三人の刺客』はもちろんですが!)観ていてほんとうに嬉しいです(^-^)/

ところで紘の家の中の描写というのも、置いてあるひとつひとつのものにとてもリアリティがある感じがしました。映画を撮るのって、それに関わるすべての方たちのとてつもないエネルギーと神経の細かさが必要なのでしょうね。すごいなあ♪

p.s ♪ななにー平成名曲ライブいいなあ(*^_^*)♪♪♪♪♪


by makisetsu | 2019-04-30 17:31 | 映画・舞台の感想など | Comments(0)  

「ゴロウ・デラックス」

b0109481_07261529.jpg夜中にディスクレコーダーが自動録画を始めたのを見て、ああ、今週はもうないんだった、「ゴロウ・デラックス」は終わったんだよなとあらためて思いました。

昨年、宮本輝さんが出演なさったとき、「すごい番組になったなあ」としみじみ思い、長く続けてほしいと願っていたので、とてもざんねんです。

沢木耕太郎さんが、「傑作ではないけれど、いいじゃん」とおっしゃっていた映画『半世界』は2月の末に観てきました。今月は舞台LIFE LIFE LIFE~人生の3つのヴァージョン~」にいく予定ですので、感想はそのときいっしょに(^-^)/


by makisetsu | 2019-04-05 07:31 | 映画・舞台の感想など | Comments(0)  

『メリー・ポピンズ リターンズ』

ロブ・マーシャル監督『メリー・ポピンズ リターンズ』。

先週、日比谷で観てきました。b0109481_11074975.jpg

このブログの2つ前の記事に書影を載せた拙著『子や孫に贈る童話100(青弓社)は、童話・児童文学作品90作と、それらを原作とした映画10作を解説、紹介している本ですが、そのなかで「映画」のいちばん初めに紹介しているのが、ロバート・スティーヴンソン監督『メリー・ポピンズ』。前作オリジナルです。では、その一部をちょっと(^^

=牧野節子『子や孫に贈る童話100』第1 映画『メリー・ポピンズ』より=

(前略) この映画の制作は一九六四年。まだCGなどない時代ですが、実写とアニメを融合させた映像がじつに楽しいです。四人が乗ったメリーゴーラウンドの木馬が回転する台から離れ、キツネ狩りの一団と走ったり競馬に参戦したりするシーンは愉快で心躍ります。(注・「四人」というのはメリーと友人のバートと、メリーが乳母をしているバンクス家の子ども二人です)

 そしてなんといってもシャーマン兄弟が作った楽曲の数々がすばらしいです。ミュージカル映画は曲が命ということを、この映画を観るたびに感じずにはいられません。

「お砂糖ひとさじで」は、苦い薬もひとさじの砂糖と飲めば大丈夫、という歌い出しから始まり、やり方と考え方ひとつで物事は楽しくなることを教えてくれます。

「チム・チム・チェリー」は煙突掃除屋さんの歌。煙突掃除はきつい仕事だとふつうは思いがちですよね。でもこの曲は、星に近い煙突のてっぺんはロンドン塔より高い、なんてすてきな眺めなんだ、とうれしそうに歌い上げます。屋上のシーンのダンスも見どころです。

 おまじないの言葉をリズミカルに繰り返す「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」は、口ずさむだけで弾んだ気分になります。セントポール大聖堂の前にいる老女と鳩を背景に、生きるものへの慈しみを歌う「二ペンスを鳩に」は、なんて尊く美しい曲なのでしょう。聴くたびに私は涙ぐんでしまいます。

 きりっとした気性のメリーを演じるジュリー・アンドリュースと、のびのびと明るいバートを演じるディック・ヴァン・ダイクは、これ以上ないというぐらいの、はまり役。b0109481_11075977.jpg

ディック・ヴァン・ダイクは、この映画でもうひと役演じていますので、探してみてくださいね。どの役であったのかはエンディングロールで明らかにされます。

「風が変わるまでは」……ああ、西風が吹いてきました。はたしてメリーは……?(後略)

 といった文からもおわかりのように、とても好きな映画なんです。もうとにかくシャーマン兄弟の音楽がすばらしくて! シャーマン兄弟の曲は、『メリー・ポピンズ』映画化の経緯を描いた映画『ウォルト・ディズニーの約束』でも、存分に活かされていましたっけ。

『メリー・ポピンズ リターンズ』は、前作の20年後という設定で描かれています。バンクス家の長男マイケルは、いまは3人の子の父親。でも1年前に妻を亡くし、悲しみから立ち上がれずにいます。大恐慌時代のロンドン。経済的にも追い詰められたマイケルは、融資の返済期限切れで家を失いそうそんなある日、風に乗り、やってきましたメアリー・ポピンズ! 20年前のあの頃と、少しも変わらぬ姿で

背景や小道具や各シーンに、前作へのオマージュがあふれている映画でした。銀行のワルな頭取がコリン・ファースだったり、メリー・ポピンズのオモシロなまたいとこがメリル・ストリープだったりと贅沢なキャスティング。メリー役のエミリー・ブラントは、ちょっと美人すぎる気も(^。^) 街灯の点灯夫ジャック役のリン=マニュエル・ミランダの達者なパフォーマンスには感嘆!

そしてそして、なんといっても嬉しかったのが、ディック・ヴァン・ダイクのカメオ出演!  前作で彼はバートともうひと役、銀行のミスター・ドース・シニアを演じていましたが、今作ではその息子にあたるドース・ジュニアを演じているのです。作品の前半でその人物のことをコリン・ファースが口にするシーンがあって、そのときから、「いつ出てくるのかなあ」とワクワクまだかーまだかーと待ちわびて、ついに登場! したときには思わず拍手(^^*) パチパチああ、なんてお元気なのでしょう! 90過ぎてのあの軽やかなステップは、まさに魔法じゃなかろうか~(*´`*)

というわけで私にとっては、ディック・ヴァン・ダイク リターンズな映画なのでありました~♪(^-^)/


by makisetsu | 2019-02-25 11:11 | 映画・舞台の感想など | Comments(0)  

『№9―不滅の旋律―』再演

b0109481_22240531.jpg稲垣吾郎さんの舞台『不滅の旋律』。3年ぶりの再演。25日にいってきました。神奈川芸術劇場。演出・白井晃氏 脚本・中島かずき氏 音楽監督・三宅純氏。

ごいっしょしてくださったEmiさん、チケットゲットどうもありがとうございます! 私もFCを含め数回チャレンジしたのにとれなかったので(A^^;マジ嬉しいです(*^_^*)感謝です! ほんとうにどうもありがとうございました!

3年前初演のとき、こう書きました。不滅の旋律中島かずき氏の骨太な脚本と、白井晃氏の精緻な演出のもと、ベートーヴェンの苦悩と孤独と狂気と哀しみを、音楽にかける熱情とそのはかりしれない才能を、そして人間的な愛らしさを、吾郎さんが、じつに鮮やかに演じている舞台です。と。

そして今回の再演では、「苦悩」と「孤独」と「音楽への想い」がさらに深みを増し、はんぱない熱量で伝わってきました。吾郎さん、去年今年と、そのお仕事の充実ぶりがご本人の自信になって、それがいいかたちで身体からにじみ出ている、といった感じでした。素晴らしかったです!

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再演では半分ぐらいの方が新キャストでしたが、片桐仁さんがまたメルツェル(メトロノームや補聴器の発明家で興行師でもある男)を演じてくださってよかった! 初演のときより、髪形も声も仕種も、うさんくささも(笑)すべてが、より大げさになっていたような気がしましたが、その振り切りっぷりがかっこいいなあ! と思いました。ボリューム大の「カーッ! うまい」で、今回も嬉しくなって大笑い(^◇^)

この舞台はきっと再演が繰り返されるであろう、そしてそれを心から望む名作ですが、メルツェル役は絶対絶対、片桐さんに続けてほしいです(*^_^*)

ベートーヴェンを支える女性マリア役。3年前の初演では大島優子さん、ルートヴィヒに魅かれていく様がいいなあ~、と思ったのでまた拝見したかったのですが、今回は、なにかと話題の剛力彩芽さん。大島さんとはまた違った、ちょっとおきゃんな魅力がありました。

グランドピアノ2台、そしてソプラノ、アルト、テノール、バスのコーラス。奏でられ、b0109481_22244702.jpg合唱される楽曲の素晴らしさ! 一幕目の終わりでも二幕目の終わりでも、ちょっと泣きそうになりました。いまさらですが、ベートーヴェン、大天才です! 

ほんとうにほんとうに、すてきな舞台でした♪♪♪アンコールでは出演者の方々のハンドベル演奏という粋な演出あり! 優しい音色の「聖しこの夜」に、心から癒されました~☆☆☆

ところで樽美酒さん、2ndステージクリアしました、スゴイ! 三浦大知さん、かっこいい! 「SASUKE」見たり「紅白」見たりしてます(笑)明日は「7.2 新しい別の窓 元日SP」と「相棒」が楽しみです(*^_^*)

皆さま、どうぞよい新年をおむかえくださいませ(^-^)/


by makisetsu | 2018-12-31 22:22 | 映画・舞台の感想など | Comments(0)  

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』

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なんだかんだあってもやはりジョニー・デップさまはカッコエエワ! というのをあらためて思った、シリーズ2作目でした。1作目の『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』では「次に続く」という感じのちょこっとの出演でしたが、この第2弾ではそのお姿を存分に楽しめます。

闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルトの、思わずひきこまれてしまうあの瞳! 片目のコンタクトも不気味さを増幅してなんと魅惑的! 魔法の杖をタクトのように振る強靭かつ優美な仕種にうっとり~!

若きダンブルドア役のジュード・ロウももちろんすてき! そして前作に続いてのジェイコブ・コワルスキー役のダン・フォグラーは、なんてうまいのでしょう! 人(ノー・マジ)でありながら、魔法界のニュート(エディ・レッドb0109481_16060787.jpgメイン)やクイニー(アリソン・スドル)たちと関わってしまったことで生まれた、ニュートとの友情、クイニーとの恋を、「人間味」たっぷりに演じています。

J・K・ローリングが脚本、製作も担当、監督はハリポタシリーズでもおなじみデイビッド・イェーツ、安心して観ていられます。シリーズは全5本の予定とか。あと3本も楽しみです(^-^)/

冬休みに入った1日目に夕方からシネコンにいって、この映画と『ボヘミアン・ラプソディ』を続けて観て、終電で帰ってきました(笑)

タクトといえば、吾郎さんの『№9』を観たのは25日です。それについてはまた~(^-^)/


by makisetsu | 2018-12-30 16:22 | 映画・舞台の感想など | Comments(0)  

『ボヘミアン・ラプソディ』

b0109481_05311049.jpg次長課長さんやエレキコミックさんが『We Will Rock You』を使ったコントをしていておもしろい!ということは8年前のブログでもちょこっとふれましたが、映画を観てやっぱり、足と手を打ち鳴らしたくなりました~♪

「俺たちにジャンルはない」「クイーンは境界を越えるんだ」「俺が何者かは俺が決める」「この世界には一瞬だけ、すばらしい世界が俺たちを待ち受けている」

フレディ・マーキュリーの生き様がストレートに響いてくる映画。金閣寺のお札が出てきたりと、遊び心も各所に。

b0109481_05314526.jpg主演のラミ・マレックはフレディというよりはミック・ジャガーに似てるなあとずっと思いながら観ていましたが、ライヴ・エイドのシーンは圧巻! でした。

そう、あのライヴ・エイドといえば、クイーンのあとのトリはポール・マッカートニーでした。当時ポールはLiveから遠ざかっていてバンドもない時期でしたが、主催のボブ・ゲルドフから声がかかると、このアフリカ難民救済のためのチャリティイベントに協力したいと思ったのでした。

そしてステージでひとり、『レット・イット・ビー』の弾き語りを始めたポール。しかし……

(『ポール・マッカートニー 告白』ポール・デュ・ノイヤー著 奥田祐士訳 25章より)

そのとき急に、モニターが聞こえないのに気づいた。(中略)フレディ・マーキュリーとブライアン・メイがぼくのすぐ前に出ていたんだけど、そしたら彼らのローディが、自分たちのジャックプラグと一緒にぼくのもぬいてしまったんだ。ぼくはほんとに身ひとつだったし、ローディもいなかった。

というわけでぼくは世界中継のTVに出演し、なのにピアノの音が聞こえなかった。(中略)どうにか半分ぐらいまでうたい終わったところで、音が出はじめ、観客も一緒にうたいはじめた。(中略)

でもあれは最高の1日だった。大事なのはゲルドフという男が死に瀕した人々のために立ち上がり、お金を集めたことなんだ。ぼくのマイクが入ってなかったことなんて問題じゃない。彼らの問題と比べたら、そんなのものの数にも入らないのさ。(後略)

こんなふうに言えるポールって、ホントすてきだなあ!と、フレディの映画を観にいったのに、結局、ポールの話に帰結するのでありました~(笑)(^-^)/


by makisetsu | 2018-12-28 05:55 | 映画・舞台の感想など | Comments(2)  

『君の輝く夜に』

b0109481_12062936.jpg稲垣吾郎さんの『FREETIME,SHOWTIME 君の輝く夜に』を観に、今週は京都劇場にいってきました。当日の京都は39度越え~(A^^;写真は劇場フロアからのガラス越しの京都タワー。

恋と音楽FINAL~時間劇場の奇跡~』から2年ぶりの舞台。作・演出 鈴木聡氏。音楽 佐山雅弘氏。「恋と音楽」シリーズと同じチームのミュージカル・コメディ。19:00からのソワレ。なんと席が最前列というラッキー! でした。


舞台背景は、海辺の国道沿いの、宿屋を兼ねたダイナーの店内。

♪海辺の町でふと出会う 4つの物語

 人生は歌と出会い 誰もが旅の途中

オープニングソングのあと物語がスタート。

季節は夏の終わり。中古のルノーでダイナーを訪れたひとりの男ジョージ(稲垣吾郎さん)。彼はこの店で、かつての恋人と、10年後に会おうという約束をしていて、今日がその日なのでした。

ダイナーの女主人ライザ(北村岳子さん)、謎めいた美人宿泊客ニーナ(中島亜梨紗さん)、そしてジョージよりあとに、やはり車でダイナーを訪れた、大人の魅力たっぷりの女性ビビアン(安寿ミラさん←その歌と踊りと佇まいのかっこよさといったら!)

面々は軽やかに会話を交わし、海にいっていたニーナが持ち帰ってきたアジで、ジョージはフライをつくったりもします。このシーンでの「素晴らしきアジフライ」という曲がとても楽しいです! 

♪子供のころを思い出す アジフライ キラキラしてたあのころ アジフライ

 大人になって 食べなくなる アハハハ ヒレカツが うまいだなんて

 だいじなものを忘れたんじゃないの アハハ あんたもわたしも

b0109481_12070785.jpg三谷幸喜氏の『オケピ!』でヴァイオリン奏者役の戸田恵子さんが歌う「サバの缶詰」をちょっと思い出したりしました。あれもいい歌だったなあ♪

一幕と二幕のあいだはSHOWTIME!「ニューヨーク・ニューヨーク」「マック・ザ・ナイフ」「アローン・アゲイン」「いつか王子様が」「ライク・ア・ヴァージン」「イエスタデイ・ワンス・モア」などなど、バラエティに富んだ曲を4人が歌い踊る、すてきなひとときでした。

さてジョージ(森本譲治)の元恋人は果たして来るのでしょうか? そしてビビアン(日比野杏)が隠している真実とは……? 4人の抱える秘密と謎は、二幕で明かされることになります。


コミカルでさわやか、肩に力を入れすぎない、さらりとした感じ。けれども胸に浪漫を抱き続けているジョージ。そんな彼の魅力(それは多分に稲垣さんご自身とも重なるような気がします)が十二分に伝わってくるお芝居。共演者の方々と、そして音楽を演奏するバンドの方々(佐山こうたさん(piano)高橋香織さん(violin)バカボン鈴木さん(base)三吉“ヨ吉功郎さん(guitar)仙波清彦さん(percussion))とも心地よく溶け合っての、まさに、まぶしいほどの、吾郎さんの輝く夜でした☆☆☆☆☆

こういう、熅(いき)らない良さがある、粋でお洒落な舞台って、吾郎さんにぴったり! これからもぜひぜひ続けていただきたいです。

b0109481_12074693.jpgアンコールのあとも鳴りやまぬ拍手。再度登場の吾郎さんに、2階客席から男性の大きな応援の声がかかります。

「あ、男のかたがありがとうございます。でもごめんなさい、僕にはヒロくんがいるから()」とゴロチ。客席も笑いの渦。ヒロくんはその日もマチネーを観にいらしてたとか(^o^) 

「いまがいちばんいい」という吾郎さん。「皆さんもそう思える日々を送っていただけたら。僕も少しでもそのお手伝いができたら」という意のこともおっしゃっていて、いい言葉だなあと思いました。公演の最終日も近づいてきましたが、「少しでも多く、京都での皆さんとの思い出をつくっていけたらと思っております」と、ほんとうに充実の表情の吾郎さんでした(^-^)/


by makisetsu | 2018-08-25 13:25 | 映画・舞台の感想など | Comments(0)  

『バリーターク』

b0109481_03163944.jpg『バリーターク』を観たのはもう2週間以上前。三軒茶屋シアタートラム。ごいっしょしたEmiさん、入手困難なチケットをとってくださって感謝です! しかも前から3番目のド真ん中! ほんとうにどうもありがとうございました!

アイルランドの作家エンダ・ウォルシュの戯曲を白井晃さんが演出なさった舞台。

窓もない閉ざされた部屋で暮らしている男1(30代半ば・という設定)(草彅剛さん)と男2(40代半ば)(松尾聡さん)

寝て、食べて、80年代の音楽をドーナツ盤レコードでかけながら踊ったり、部屋中を駆けまわったり、部屋にある器具でフィットネスをしたり鳩時計がポッポッボッポと時折鳴くけれど、それって実際の時刻なんだろうか

二人は、「バリーターク」という村の話をします。部屋の壁に貼られているたくさんの絵は、バリータークの風景や、村に住んでいる人々ラリー・アスペンやジョイス・ドレンチやもっともっと多くの人たちの顏なのです。

二人はいったい誰なのでしょうか。どこから来て、どうしてこんな暮らしをしているのでしょう。時々壁の向こうから聞こえてくるのは誰の声なのでしょう。それとも男1の幻聴なのでしょうか

ある日突然、男3(60代半ば)(小林勝也さん)があらわれて、二人に選択をせまります。二人のうち「どちらか」が、この部屋から出て、「12秒間の生」を生きるのだと。それはつまり12秒後には死ぬということ

さて、二人が出した答えは? 

そして、部屋に残った男に起きたこととは


男1の言葉が、強く、こころにのこりました。

「ここにあるのはほんとうの人生じゃない」


ほんとうの人生。このお芝居の男1、男2のような特殊な環境にいるわけではなくても、人は誰しも自分の人生について思いをめぐらすときがあるのではないでしょうか。「ほんとう」とか「しあわせ」とかいう言葉は曲者見方ひとつ、考え方ひとつで反転するものでもありますが、そもそもそういう言葉があるから人は煩悶してしまうのでしょうね。


b0109481_03162509.jpgその日の終演後の舞台では、白井晃さん(KAAT神奈川芸術劇場芸術監督)と野村萬斎さん(世田谷パブリックシアター芸術監督)のトークもあって、超絶お得な一夜! 

『バリーターク』を『ゴドーを待ちながら』になぞらえて話していらしたお二人。「男3」のことを「ゴドーが来ちゃった()」と萬斎さんがおっしゃっていました。

私は、ちょっと『カッコーの巣の上で』も連想しました。男の一人が出ていくシーンをそう感じたのだと思います。


8月は吾郎さんの『君の輝く夜に』を観に京都に行く予定。

№9―不滅の旋律―』の再演も決まって嬉しいです(^-^)/


by makisetsu | 2018-06-18 05:55 | 映画・舞台の感想など | Comments(0)  

『クソ野郎と美しき世界』

b0109481_22262814.jpg第2弾を撮ることが決まったんですね。先週の(木)深夜、Youtube見ました。それにしても、I女史のプロデュース能力ってほんとうにすごいなあ、と、いまさらながらですがつくづく。

3人のSNS発信、アベマの72時間からななにーへの流れ、パラリンピックサポート、多くの雑誌への掲載、映画の「2週間」限定公開とムビチケ4枚セット販売での動員アップなどなど「新しい地図」さんの進め方は大胆かつ細やか、また「特別感」を出すのがうまい。悉く成功しているといってもいいのではないでしょうか。

さてオムニバス映画『クソ野郎と美しき世界』。

(パンフより)

1『ピアニストを撃つな!』全力で走る女、フジコ。フジコを追う不気味なマスクをした極悪人「マッドドッグ」。マッドドッグの手下で元ボクサーのジョー。彼らが向かう先には美しい指を持つ天才ピアニスト、ゴロ―。

2『慎吾ちゃんと歌喰いの巻』歌を食べて生きる少女「歌喰い」と歌えなくなったアーティスト香取慎吾の不思議な関係。食べられた歌の行方は―。

3『光へ、航る』失った息子の右腕を探す旅に出た夫婦。妻裕子に美人局をさせては罠にかかった男たちを脅し日銭を稼ぐクズな夫オサム。2人が沖縄の海で出会ったのは

4『新しい詩』夜な夜なクソ野郎たちが集まるダンスフロア『クラブ・クソユニバース』で繰り広げられるショー。


1 天才ピアニストという設定のゴローさん。でもピアノを弾いているていの肩の動きが少し不自然だった気も(~_~;)十三人の刺客』や№9―不滅の旋律―での吾郎さんのすばらしい演技と比べると、この作品にはかなり不満感がのこりました。もっと吾郎さんを活かす役、ホンにしていただきたかったなあというのが、正直な感想。

2 ちょっとアンニュイっぽい? 慎吾ちゃん。3人のなかでは、ご本人にいちばんマッチした役のように思いました。♪また逢う日まで~ を歌う、古舘寛治さん演じる尾乃崎紀世彦さんが受けた~(^^)

3 草彅さん、演技、クソうますぎる! 『バリーターク』も楽しみです。妻役の尾野真千子さんもうまかったなあ。

4 ごっちゃまぜなおもしろさを、ちゃんとまとめましたよ、という楽しいフィナーレ。いちばんおいしい役は、「マッドドッグ」浅野忠信さんだったかなあ。

ちょっとへんな言い方になりますが、この映画の全体に漂ううさんくささが、私は好きでした。クソ野郎とうさんくさい世界(笑)エンドロールに流れる「地球最後の日」。吾郎さんのやわらかな歌声に癒されました(^-^)/

 

b0109481_09465558.jpg癒されるといえば、先々週でしたか、『ゴロウ・デラックス』にカラテカの矢部太郎さん、出演されていましたね。

『大家さんと僕』はその前から読んでいましたが、矢部さんと階下のご高齢の大家さんとのふれあいを描いていて、心底、ハートがあたたまる、とてもいい漫画! 

少ししか登場しませんが、相方の入江さんが出てくるところも印象的。

入江さん、言葉はきついけれど実は優しくて相方思いなんじゃないか、そんなふうにとれるように描かれていて、ふたりの関係性がいいなあと思いました(^-^)/


by makisetsu | 2018-04-24 09:56 | 映画・舞台の感想など | Comments(0)