シザーハンズ

 す、す、すばらしかったです!
 マシュー・ボーン振付のダンス公演『シザーハンズ』。
 ティム・バートン監督とデップ様の黄金コンビのスタートである名作映画『シザーハンズ』のイメージを、少しも損なうことなく、しかもダンスならではの魅力がプラスされた、感動の舞台でした。
 主役のエドワードはダブル・キャストで、当日会場にいくまで、どちらが演じるかはわかりません。私がいった日は、美丈夫のリチャード・ウィンザーさんでした。

b0109481_7182635.jpg ストーリーは、映画とは少し違うところもあります。舞台のはじまりでは、映画『シザーハンズ』の内容より前のこと…つまり、手がハサミであるエドワードが、どうしてつくられたのか、その事情が描かれています。
 丘の上のお城のような屋敷に住んでいる少年エドワードは、ハサミで遊ぶのが大好きな少年。けれどある日、チョキチョキと遊んでいたそのハサミに雷が落ち、感電死してしまいます。
 悲嘆にくれた父(博士)はやがて、ハサミの手をもつ人造人間をつくり、エドワードと名付けるのでした。この動機って、息子のトビオを亡くして、アトムをつくった天馬博士と似ていますね。
 さてその父が死んで独りぼっちとなり、ふもとの町におりてきたエドワードは、親切なボッグズ一家に面倒をみてもらうようになります。
 このボッグズ家のママ、母性ゆたかなペグ・ボッグズ役を、映画ではダイアン・ウィーストがあたたかく演じていて、とてもすてきでしたが、舞台のエタ・マーフィットも、やさしさがあふれ出ていて実に魅力的でした。
 町の人たちに、はじめは奇異な目で見られていたエドワードでしたが、ハサミで植木や犬の毛を巧みにカット、そして女性のヘアを抜群のセンスでカットする腕が評判になり、一躍有名人になります。
 エドワードは、ボッグズ家の娘、キムに恋をします。けれど、手がハサミであるがゆえに、抱きしめることができません…。
 キムのボーイフレンド、ジムは、エドワードとキムがひかれあっていることに嫉妬をし、
エドワードに罠を仕かけます。町の人々が集まるクリスマスパーティの場で…。
 月が浮かぶ空と大きなクリスマスツリーをバックにしたパーティのシーンは、すっごく華やか。カラフルなコスチュームに身を包んだダンサーたちの群舞が見事です。
 けれど、パーティの楽しさも一転。ジムの罠にはまったエドワードは、キムの弟を傷つけてしまい、人々に追われ、丘の上へと逃げていきます。あとを追うキム……。

 そしてラスト近く、丘の上の城でエドワードとキムが二人だけで踊るシーンは、涙なしに見ることはできません。
 エドワードを心から愛していることに気づき、彼の腕にすべてをゆだねるキム。
 別れを心に決めながらも、キムを抱いて踊るエドワード…。
 作品の中盤では、エドワードがハサミのない手でキムと踊る幻想シーンも出てきて、そこもすてきなのですが、この、ラスト近くの、ハサミがあるままの手で踊るデュエットダンスは、それ以上にせつなく美しい。手先の部分が使えないのですから、ダンサーの肉体的負担はいかばかりかとは思いますが、ハサミの長さが生きたフォルムからしても、キャラクターの心情の映しだしという意味からしても、ハサミがあるからこそ、ここまでせつなく美しいダンスシーンになったのでしょう。
 そのあとの、胸がしめつけられるラストシーン…そして、雪……なんと、舞台上だけでなく、観客席にも雪が降ってくるのです。
 もうもう、「ブラボー!」というほかありません。振付、演出、そしてダンサーの方たちはもちろんのこと、音楽、舞台装置、衣裳…なにからなにまで「ブラボー!」な作品でした。ああ、観ることができて、本当に幸せでした。
 髪に雪を残したまま、頬に涙のあとを残したまま、劇場の外に出ると…むわっ…ああ、まだ残暑でした(A^^;

# by makisetsu | 2006-09-05 07:24 | 映画・舞台の感想など | Comments(2)  

24時間テレビ

b0109481_2135277.jpg*8月26日の日本テレビ「24時間テレビ29愛は地球を救う“絆”」で、『さびしくないよ 翔太とイフボット』(岩崎書店)の木田翔太くんのことが紹介されました。
*読売北千住教室の皆様、8月は体調をくずし休講してしまいごめんなさい(--;)もうすっかり大丈夫です! 補講日は9月23日(土)となりました。9月第1週目の講座は通常通りです。
*昭和女子大学オープンカレッジの講座、26日お休みの方に。今期ふたつ目の課題は「約束」です。それではまた9月に(^-^)/

# by makisetsu | 2006-08-27 02:25 | 新刊・教室・講演など | Comments(0)  

マーク・ライデン

b0109481_691282.jpg そして最近買った本でお気に入りは、マーク・ライデンの画集『不思議サーカス』。これこそ、キモカワ(笑)。きもかわいい。
 お肉の風船を持つ少年。お肉のジャグリングをしている1.5頭身のリンカーン。虫の姿をしたサンタクロース。自分の頭を手に持つ女の子。その首からは血が噴水のように…と、こんなふうに文字だけで書いていると、ちょっとひいてしまうかもしれませんが、その絵のどれもが色彩豊かで、少女、少年は、この上なく美しく、動物たちはたまらなくかわいく描かれています。
 大きな蜂を胸に抱くクリスティーナ・リッチ、ひいらぎの上に横たわる裸身のビョーク、空中に浮く大きなお肉の上に立つジミ・ヘンドリックスなど、スターも登場しています。
 王冠をかぶったレオ様が、蜂にひかれた馬車に乗っている絵があるのですが、わあ、隣に乗ってみたいなと思いました。あ、馬車じゃなくて、蜂車か(笑)。
 馬がひいてくれるのも、蜂がひいてくれるのも、ありがたい。ただこの季節、車はぜひとも氷がいいですね。あ、溶けちゃうか(笑)。

 暑い日がまだ続きそうです。
 皆様、おからだにはくれぐれもお気をつけておすごしください。  8月14日

# by makisetsu | 2006-08-14 06:22 | 音楽・美術の感想など | Comments(0)  

チュートリアリズム

b0109481_681580.jpg さて、最近買ったDVDでお気に入りはこの一本。チュートリアルの『チュートリアリズム』。
 ラーメンズの次に好きなお笑いコンビの初DVDです。
 吉本興業で一番のイケメンで、顔に似合わぬへんてこなお笑いセンスをもっている徳井義実さんのボケを、相方の福田充徳さんががっしり受けとめている、幼稚園からの友だちという仲良しコンビ。二人とも京都生まれで、現在京都では『キョートリアル』というラジオ番組を持っています。
 チュートリアルはM1グランプリにも残っていましたし、かっては、NHKの『オンエアバトル』にもよく出ていました。おはぎ屋を舞台に、おはぎでジャグリングをして、「おはぎングや!」とか言っている、けっこうぬるめのネタ(笑)が私は好きなんですが、それがこのDVDには入っていなくてちょっと残念。
 このなかでは、「白い妖精」というコントが、おもしろくて熱くてせつなくて、いいなあと思いました。都会でのサラリーマン生活に疲れ、日本海の港町にやってきて、自殺しようと絶望壁に向かう若者(福田さん)を、イカ釣り漁師(徳井さん)が励まし、生きる力を見いださせるというハートウォーミング・コント。ただ、ラストを下ネタで落としちゃったのがどうなんだろうと。なんでわざわざそっちにいっちゃうんだろう、みたいな(笑)。
 ネタはイケメンの徳井さんがつくってますが、きれいな顔の男の方って、たとえばディカプリオが、きれいきれい役じゃなくて、ヨゴレテイストの役をやりたがるように、きれいにまとめちゃうことに、なんか抵抗があるのかなとも思います。
 『チュートリアリズム』。特典映像の、イケメン徳井さんが自らをおちょくって描いた「徳井ハンサム義実」と、福田さんの酒びたりぶりを映した「福田ひとり酒」も楽しいです。でも、この飲みっぷりがほんとなら、福田さんのおからだがちょっと心配。もう少し、お酒はひかえられたほうがいいのでは(A^^;

# by makisetsu | 2006-08-14 06:20 | お笑い・TVの感想など | Comments(0)  

ジャック・スパロウ

 ちょっとばたばたしてていきそびれていましたが、やっと観てきました。
『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト(死者の宝箱)』。
 あー、すごく楽しかったです。単純明快、痛快至極、これぞ活劇、これぞ娯楽映画って感じでした。
 私はディズニーランドが大好きですが、アトラクションによっては、一時間、二時間並ばなくてはいけないのが、ちょっとしんどい(A^^; それでアトラクション自体は、十数分だったりするでしょう。
 でもこの映画は、長い時間たっぷり楽しめるアトラクションだなと思いました。別に話の内容はそんなに深くなくてもいい(笑)。だって、ジョニー・デップとオーランド・ブルームという二大ハンサムが、ほとんど出突っ張りで、おもしろおかしくちゃんちゃんばらばらを繰り広げてくれているのです。なんの文句のつけようがありましょうか。
 前作『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』での悪役、海賊バルボッサを演じたのは、名優ジェフリー・ラッシュでしたが、今作の悪役、深海の悪霊デイヴィ・ジョーンズを演じるのは、これまた名優ダル・ナイ。とはいえ、ダル・ナイの顔は特殊メイクにより、ほとんどタコ(イカ?)なんですが、目の凄味と、風格ある立居振舞はさすがでした。

b0109481_6111892.jpg 海と自由と酒と女を愛する孤高の海賊ジャック・スパロウを演じるデップ様は、前作にも増して、コミカルでチャーミング!
 自分の船ブラックパール号を停泊した島で、その島の原住民に、酋長として祭り上げられ、顔に目玉をいっぱいペイントしてるデップ様。
 あげくに、原住民たちに火あぶりにされそうになり、背中に長ーい棒をくくりつけられたまま、逃げ回るデップ様。逃走中、崖から落ちたり、棒がバウンドして飛んだり、その棒にフルーツがいくつもブスブスブスと突き刺さったりして、ああ愉快。
 そしてクライマックスでは、ジョーンズの操る深海の魔物、巨大タコ(イカ?)のクラーケンと格闘するデップ様。あ、そういえばデップ様は、史上最低の映画監督エドワード・D・ウッドJrを演じた『エド・ウッド』では、作中、往年のドラキュラスター、ベラ・ルゴシを大ダコと格闘させてましたよね(A^^;

 まあ、この映画に関しては、あれこれ御託を並べるのは野暮な気がします。ただもう童心モードで、「うっひゃー」「すげえ」「こえー」「ぎゃはは」「はらはら…」「パチパチパチ!」って、こんな感じで観るのがいちばん。しちめんどくさいことは考えないでいい(笑)。実際私、観始めたときには、前作のストーリーの記憶がおぼろげで、人物のつながりがちょっとわかりにくいところもあったんですが、細かいことは気にしない(笑)。
 自分も海賊の一人になって、映画のなかに入りこめば、アクションシーンも、ほろりシーンも、より楽しむことができます。登場人物とともに、暴れ、笑い、泣ける。
 わがまま勝手で嘘つきで女たらしで、けれど最後の最後では、決して人を裏切らない、誰よりも勇気と男気に富むキャプテン・ジャック・スパロウ! おいらはキャプテンに、どこまでもついていきやすぜ(笑)。
 エンドロールのあとにも小さいオチがひとつついているので、これからご覧になる方は、エンドロールで出ていかないで、ぜひ最後まで着席なさっていてくださいね。
 二作目といっしょに撮った三作目の公開は来年とのこと。あー、すぐにでも観たいです。でも、「待ち時間」も、アトラクションの楽しみのひとつなのかもしれません。
 ちなみに一作目の『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』については、拙著『童話を書こう! 実践篇』(青弓社)の十章でもふれていますので、お気が向いたら読んでみてくださいね。
 今週はもう一本、ドキュメンタリー『アンリ・カルティエ=ブレッソン瞬間の記憶』を観にいく予定です。その感想はまた次回に。

# by makisetsu | 2006-08-14 06:18 | 映画・舞台の感想など | Comments(0)  

秋期講座ご案内

秋期各講座(10月~)のご案内です。
詳細は各教室、各センターにお問い合わせください。

「童話&エッセイ教室」
読売日本テレビ文化センター大森(駅ビルプリモ6F)TEL 03(5471)6311
読売日本テレビ文化センター北千住(駅ビルルミネ9F)TEL 03(3870)2061
カルチャーサロン青山(青山ブックセンター横)TEL 03(5485)5513

「エッセイから小説まで」
読売日本テレビ文化センター大森(駅ビルプリモ6F)TEL 03(5471)6311
よみうり文化センター自由が丘(自由が丘魚菜ビル3F)TEL 03(3723)7100

「童話・お話の書き方」
昭和女子大学オープンカレッジ(三軒茶屋)TEL 03(3411)5400

*読売蒲田教室は9月いっぱいでセンター自体がクローズします。受講継続をご希望の方は上記教室のいずれかでご都合のよい場所にいらしていただけましたら幸いです。
*読売北千住教室の皆さま、前回はごめんなさい(--;)補講日はセンターのほうからご連絡させていただく予定です。皆さまもどうか体調にお気をつけておすごしくださいませ(^-^)/

# by makisetsu | 2006-08-09 18:51 | 新刊・教室・講演など | Comments(2)  

掲載情報

b0109481_041471.gif*7月30日の毎日新聞で、拙著『さびしくないよ 翔太とイフボット』が紹介されました。
*7月17日の産経新聞で、『さびしくないよ 翔太とイフボット』が紹介されました。
*「飛ぶ教室」2006年夏号(光村図書・7月25日発行)の「特集・プーの森で語り明かそう」に、エッセイ「プカプカプーさん」掲載。
*朝日小学生新聞「子ども見つめて」、7月にインタビューさせていただいたのは、ナチュラリストの藤本和典さんです。7/15、7/22に掲載。
*読売C&L連載中の「りとる・めるへん」、8月号掲載掌編は「かくれんぼ」です。

# by makisetsu | 2006-08-01 00:44 | 新刊・教室・講演など | Comments(0)  

あわれ彼女は娼婦

b0109481_0203371.jpg さて7月も、渋谷Bunkamuraシアターコクーンでお芝居を観てきました。
 ジョン・フォードの。
 といっても、『駅馬車』の監督のことではなく、イギリスの劇作家。シェイクスピアと同じ十九世紀に活躍していた人だそうです。
 主役はジョヴァンニ。
 といっても、『銀河鉄道の夜』ではなく、そのジョン・フォードの戯曲『あわれ彼女は娼婦』の主人公です。頭脳明晰で人格的にも優れ、将来を属望されている若者という設定。この役を三上博史さんが演じます。
 ちょうど一年前に観た三上さんの舞台『ヘドウィグ』には、もうもう本当に感激しました!(『ヘドウィグ』については、『2005年10月』のメッセージに記してありますので、よろしかったら見てくださいね)
 今回三上さんは、演出の蜷川幸雄さんとは初めて組んだお芝居ということもあり、これまた大いに期待して足を運びました。
 翻訳は小田島雄志さんです。
 舞台背景は中世のイタリア。
 実の妹アナベラを女性として愛し、男女の関係を結んでしまうジョヴァンニ。この妹アナベラ役は深津絵里さん。
 さきほど『銀河鉄道の夜』ではないと言いましたが、そういえば宮沢賢治も、妹を大切に思っている方でしたね。三上博史さんは映画で宮沢賢治を演じたこともあります。なんかフシギ。
 で、アナベラは、ジョヴァンニの子を身ごもってしまう。さあ、どうしよう、ということで、アナベラに思いを寄せていた貴族ソランゾと結婚します。 
 この若くて金持ちでハンサムで頭もいい貴族ソランゾを谷原章介さんが演じます。ソランゾは人妻を誘惑したりと、プレイボーイなのですが、アナベラを知ってからは、彼女にご執心。

 谷原さんて、ドラマでもこういう役多いですよね。もてもてのイケメンなんだけど、自分が愛する本命には愛されないという。いわゆるフラレ役。前に『徹子の部屋』に出演し、徹子さんにそのあたりを指摘されたとき、
「僕みたいなのが(この『僕みたいな』というのは、それまでの話の流れからして、『顔も頭もいい二枚目』というような意味を含んでいます)、そういうのをやるのがおもしろいんでしょうね」とさらりと言っていて、それが少しもいやみじゃなかった。すてきな人です。
 彼が深夜にやっている『デザイン』というテレビ番組、大好きです。ふだん身近にあるものを、気鋭のデザイナーに依頼し、まったく新しい視点から、趣向をこらしたデザインをしてもらうといったもの。
 たとえば、ボックスをとっぱらっちゃったティッシュボックスとか、平面のポリシートに切り取り線を入れ、それを切って広げるとレインコートになる、簡易レインコートとか、毎週ユニークなものが登場します。
 そのデザインを見るだけでも十分楽しいんですが、この番組のナビゲーターを、白いスーツをびしっと着て、かっこつけた仕種から、甘い目配せまで、もうわざと、確信犯的にキザ男としてやっている谷原さんが、それ以上におもしろく楽しい。とてもセンスのいい番組だと思います。
 深夜番組といえば、もうひとつ大好きなのが、小泉孝太郎さんの『孝太郎プラス』ですが、そのことについてはまた今度。

 さて話をもどし。
 アナベラと結婚したソランゾは、アナベラが妊娠していることに気づき、彼女を「娼婦!」と、ののしります。
 タイトルであり、芝居の最後の決め台詞にも入っている、この「娼婦」という言葉、いまの時代ですと、なんだか違和感ありますが、当時は「貞節、寡黙、従順」が理想の女性のありかたとされていて、その対極にあるものを象徴する言葉であったのだそうな。
 で、ソランゾは、お腹の子どもの相手が誰なのか、さぐり出そうとするわけです。
 そして、もう、あとは血みどろの……。
 実際、芝居の後半は凄絶な場面だらけなのですが、そんななかで不思議と浮かび上がってくるのが、ジョヴァンニとアナベラの…本来ならとんでもない、汚れた恋であるはずなのに…けれども、なににもとらわれない、「純な心」、といったものなのです。この「純」な感じを出すのが、そしてそれを観客にしっかり受けとめてもらうのが、とても難しい劇ではと思うのですが、三上さんと深津さんは、そのあたりをきっちりと、こちらに伝えてくれたと思います。
 凄絶といえば、ジョヴァンニが、ひとつの心臓を(ある人の心臓をえぐってとりだしたものなのですが、誰の心臓かは、ここでは伏せておきますね)剣に突き刺し、それを掲げて、血まみれで登場する場面があるのですが、これって、もしもジョヴァンニ役が三上さんでなければ、陳腐になってしまうおそれもありだなあと思いました。
 このお芝居を、いま、三上さん以外だったら誰ができたか、ちょっと思いつきません。
 蜷川さんが以前から三上さんに熱烈なラブコールを送っていて、そして蜷川さんが選んだのがこの劇だというのが、納得させられてしまう舞台です。
 十三年前の舞台では、蜷川演出ではありませんが、豊川悦司さんが演じたそうです。なるほど。でも、たぶん、もう少しおさえた感じの演出だったんじゃないかなあ、なんて、勝手に想像しています。
 イギリスではジュード・ロウが舞台で演じたこともあるようです。ジュード・ロウというと、映画では、通りがいいのは『A.I.』や『リプリー』なんでしょうが、私は、ラストが悲しい近未来映画『ガタカ』と、それから、オスカー・ワイルドの愛人役(オスカー・ワイルドは男色)を演じた『オスカー・ワイルド』が好きです。それについてはまた今度。またまた「今度」ばっかりですが(笑)。

 ともあれ、すばらしい舞台でした!
 「純」とはなにか。「愛」とはなにか。
 これって永遠のテーマですね。
 生きていく上でも。書いていく上でも。

 梅雨はまだ明けていないのですね。
 皆様どうかご自愛くださいませ。  7月26日

# by makisetsu | 2006-07-26 00:29 | 映画・舞台の感想など | Comments(2)  

掲載情報

b0109481_14251.jpg*学研「話のびっくり箱」4年上(6月20日発行)に、家族ストーリー「きらきらのいす」掲載。
*東京新聞6月24日「サタデー発言」で、拙著『さびしくないよ 翔太とイフボット』(岩崎書店)を紹介するコラムを書きました。
*朝日小学生新聞「子ども見つめて」、6月にインタビューさせていただいたのは、舞踊家でクラシックバレエ講師の佐々木想美さんです。6/17、6/24に掲載。
*読売C&L連載中の「りとる・めるへん」、7月号掲載掌編は「アレンジ」です。

# by makisetsu | 2006-07-04 01:05 | 新刊・教室・講演など | Comments(3)  

ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?

 先月は、渋谷Bunkamuraシアターコクーンで、吾郎ちゃんのお芝居を二回観てきました。
 一度目は、今回も競争率のすごいチケットをゲットしてくださったEmiさんとごいっしょに(Emiさん、本当にいつもありがとうございます!ジャニーズ関係のチケットをとるのは、至難の技ですよね)、そして二度目は、人形作家のMIZUEさんとごいっしょしました(MIZUEさん、久しぶりにお話しできて楽しかったです)。
 今回のお芝居は、舞台が真ん中にあり、客席がそれを囲むかたちになっていました。二回ともとてもよい席で、お芝居と吾郎ちゃんをたっぷり堪能することができました(^0^)

b0109481_5133087.jpg さてその劇はといえば、1962年ブロードウェイ初演の、エドワード・オルビー作『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』。
 今回の公演の演出は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ。ロックバンド「有頂天」のKERAさんです。いまや演劇の世界で大活躍ですね。
 『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』は、二組の夫婦がともに過ごすある一夜を描いた作品です。
 ニューイングランドの小さな大学の構内住宅に住んでいる、結婚23年目の夫婦、ジョージとマーサ。マーサは、大学総長の娘。ジョージは大学教授。マーサ役は大竹しのぶさん。ジョージ役は段田安則さんです。
 その日は総長主催のパーティがあり、深夜に二人は帰宅しました。父が主催したパーティなのに、その会場での夫の愛想のなさを、マーサは責めます。泥酔して次から次へと悪態をつくマーサをいなして、ジョージは休もうとするのですが、マーサは「お客を招んだのよ」と言います。「いま何時だと思ってるんだ。夜中の二時だぞ」。言い争っているうちに、新任の助教授夫妻、ニックとハネーが家を訪ねてきました。
 このニックを稲垣吾郎ちゃんが、ハネーをともさかりえさんが演じます。
 ニックとハネーを前にして、マーサとジョージはさらに、お互いを非難しあいます。ジョージがいかに甲斐性のない夫か、マーサがいかにひどい妻か、現在から過去にまでさかのぼり、容赦なく打ちのめし傷つけ合うのです。「これはゲームだ」と言ったのは、ジョージだったか、マーサだったか。やがてそのゲームに、ニックとハネーも巻き込まれていきます……。

 ちなみにヴァージニア・ウルフはイギリスの作家(1882~1941)。フェミニズムの先駆者とされていて、結婚していながら、女性とも深い関係を結んでいたそうな。最後は心を病んで、自ら命を絶ちました。
 劇のパンフレットのなかで、演劇評論家の桂真菜さんは、こんなふうに書いています。
「劇中で歌われる『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』は、『新しい価値観を掲げたインテリ女が、社会をひっくり返しに来たってこわくない』と置き換えてみると、意識革命を拒むコンサバ層の強がりに聞こえる」
b0109481_058829.jpg コンサバ。懐かしい響きです。
 この作品は、むかし、映画で観ました。『卒業』のマイク・ニコルズ監督の初監督作品。でも、映画館で観たのは、『卒業』を観たのより、あとだったような気がします。いまはもうない映画館ですが、渋谷の東急名画座だったかなあ。
 マーサ役はエリザベス・テーラー、ジョージ役はリチャード・バートン(当時、実生活でも夫婦でした)。二人がスクリーンのなかで過激にののしり合っていたという印象が強く残っています。ただ正直言って、そのときの私には、この作品、ちんぷんかんぷん、全然わからなかったです。
 今回のお芝居では、むかしより少しは理解できたような気がしていますが…それは私が年を重ねたからでしょうか。それとも、KERAさんの演出が、映画よりわかりやすかったからでしょうか。

「明日、21歳の誕生日を迎える息子が、家に帰ってくるの」
 マーサは、ニック夫妻の前で話します。息子が小さいとき、どんなに可愛かったか。自分はどんなにその子を愛していたか。あんなことがあったのよ。こんなこともあったわ。息子に関するいくつものエピソードを。
 けれども、実は、その子は……。
 一方、ニックの妻ハネーも、子どもというものに関して、ひとつの問題を抱えていました。
 そして、ゲームを終えた(?)マーサとジョージは……。

 公演は六月末で終了しましたが、これから原作を読んだりDVDを観る方のために、ラストはバラさないでおきますね。
 さて私が、このお芝居を端的に紹介するとすれば…。
 親子、夫婦、というような家族関係の、吐き気がしそうな部分と、しかし切るに切れない絆、といったものとを、ナイフやチキンや下着やペンや煙草やアルコールといっしょに引き出しに投げ込んで鍵をかけて、その鍵穴から漂ってくるにおいを描き出した戯曲。
 こんな感じでしょうか…うーん、やっぱり、私、あまりわかってないのかも(笑)
 でも、俳優さんの魅力はちゃんとわかってる(?)つもりです。大竹さん、迫力ありました。素直に愛を表現できない、そして子どもを…(おっとこれは、オチがバレるので伏せておかなきゃ)ともあれ、マーサという女性の哀しみがにじみ出ていて、うまいなあと思いました。段田さん、渋くて色気がありました。夫婦の関係に空虚感を抱きつつも、きっと深いところではマーサを愛しているジョージ像が、よく伝わってきました。りえさん、細くてきれいでした。そして吾郎ちゃん、むずかしい役どころをきっちりこなしていたと思います。吾郎ちゃんの、肩に力を入れすぎてないような感じのとこ、ほわん、とソフトな香気を漂わせているところが好きです。
 なんて、吾郎ちゃんに目をハートにしながらも、次回はまたデップ様?(笑)

 暑さ増す日々、皆様どうか、体調にお気をつけておすごしくださいね。

                                                  7月4日

# by makisetsu | 2006-07-04 01:03 | 映画・舞台の感想など | Comments(0)  

新刊出ました!

b0109481_1821732.jpgこのたび、新刊を上梓いたしました。
どうぞご一読くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

イワサキ・ノンフィクション 3
『さびしくないよ 翔太とイフボット』 牧野節子・著

A5判120ページ 定価(本体1300円+税)
ISBN4-265-04273-2 6月20日発売


 ぼくは負けない、どんなにつらくても。
 必ず両親のところへもどるぞ。
 木田家にもどる。

 母さん、もう、泣くのやめなよ。
 ぼくは、泣いてなんかいない。
 ほら、ぼく、おじいちゃんといっしょにいるんだよ。
 それに、ぼくがそっちにいなくても、みんな、
 ぼくのこと忘れてない。
 思い出してくれてる。それって、すごくうれしいんだ。
 だから、ぼくは、さびしくないよ。           -本文より

勉強に遊びになんにでも一生懸命生きてきて、みんなから愛された木田翔太君。
中2になる年の2月に白血病になり、その年の10月に14歳の若さで亡くなった。
闘病中、家族や友人達が帰った後、彼の寂しさや辛さを紛らわせてくれたのは、コミュニケーションロボットのイフボットだった。闘病中の子どもたちのために、本人自ら街頭募金に立つ。
翔太君が亡くなったあとも、友人達が基金を立ち上げ、いろいろなところで、チャリティーを行ったり、街頭募金をしている。そんな翔太君の人生を家族や友人の話をもとに再現し、彼の熱意、思いを少しでも多くの人に知ってもらいたい。
巻末には彼をモデルにして生まれたBEST THE MELLOWの「風返り峠」のCDが付く。
売上の一部はコミュニケーションロボットと翔ちゃん基金に寄付される。
(岩崎書店ホームページより)

問い合わせ先
〒112-0005
東京都文京区水道1-9-2
株式会社岩崎書店
TEL03-3812-9131(営業) 03-3813-5526(編集)

# by makisetsu | 2006-06-20 18:20 | 新刊・教室・講演など | Comments(2)  

娘とツーショット

b0109481_1542194.jpg さて毎年5月は、私も会員である「日本児童文学者協会」の総会の開催月。
 今年は協会の60周年。そのレセプションで、微力ながらも私はアシスタントや語りを、そして長女エリは、コーラスのピアノ伴奏をつとめさせていただきました。
 こちらが、そのツーショット(笑)。写真を送ってくださったYさん、どうもありがとうございました。
 
 もうすぐ梅雨の日々、皆様、どうか体調にお気をつけておすごしくださいませ。
 それではまた来月(^-^)/  5月29日

# by makisetsu | 2006-05-30 16:00 | 新刊・教室・講演など | Comments(0)  

ポールとツーショット?

b0109481_15403610.gif GWのうちの一日は、レノン・ファンの友人に誘われて、いまさらながらですが、さいたま新都心のジョン・レノン・ミュージアムにいってきました。私はポール派なので(笑)いままでいったことがなかったのでした。友人は再訪とのこと。
 2000年のオープンからもうだいぶ経っているのと、特にイベントもやっていない時期だったせいか、ミュージアムはガラガラでした。
 ミュージアムに入ってすぐのところにシアターがあって、数十人、いや、詰めれば百人ほどのキャパではと思われましたが、客席に座るとスタッフのおねえさんの説明があり、ジョンの一生を短くまとめた映画を上映してくれました。観客は、友人と私の二人きりです。なんともぜいたくというか、ちょっと申し訳ないような気もしました。
 ジョンの「少年時代」「リバプール時代」「ビートルズ時代」と、時系列で展示してある各部屋をまわっていくと、おお、ジョン愛用のリッケンバッカーが置いてある! おお、日本公演で着ていたジャケットが飾ってある! と、いちいち感動。ミュージアム内にはもちろんビートルズの曲がずーっと流れているので、終始口ずさみながら、じっくりと見てまわったのでありました。
 数十年前、日本公演で嬌声をあげたときの熱い気持ちを懐かしみながら。
 十数年前、ロンドンのアビーロードを歩いたときの喜びを思い出しながら。

 ジョン・レノン・ミュージアムですから、当然、展示してあるのはジョンの写真が多い。でも私は、そんな中からポールの写真を見つけ出し、ポールと並んで、友人にケータイでツーショットを撮ってもらいました(笑)。

 数週間後の朝。新聞を開くと「ポール・マッカートニー夫妻 離婚へ」の文字が目に飛びこんできました。その夜、レノン・ファンの友人はふざけて、「牧野さん、次のパートナーに立候補する?」とメールをくれました。私も、「いまから、英語勉強しようかなあ」と返信。まあ、冗談はともかくとして(笑)。
 ポールは、一番目の奥さんリンダに先立たれ、深い哀しみに沈んでいたところ、二番目の奥さんになったヘザーとめぐりあい、女の子ベアトリスちゃんも授かったのですが…まあ、あなた、人生には、ほんと、いろいろなことが起こるものですねえ…と淀長さん風(^-^;)。
 でも、なにはともあれ、元気で歌い続けていてほしいなあと思います。それがファンには嬉しいのです。2002年のドームでの公演も、とても素晴らしかったです。ポール、また、日本にもツアーで来て、公演やってくださいね。だって今回払う慰謝料の額、はんぱじゃないようですから、がんがん稼いでください(笑)。また絶対、聴きにいきます♪

# by makisetsu | 2006-05-30 15:26 | 音楽・美術の感想など | Comments(0)  

決闘! 高田の馬場

b0109481_1053047.jpg 混んでいるといえば。と再度無理やりつながりですが(A^^;、先月観た三谷氏のバルコ歌舞伎『決闘! 高田馬場』。三谷氏のお芝居には空席というものがあったためしがありません。客席、いつもぎっしりです。
 飲んだくれで荒れた生活をしている、でも思いやり深いその性格から、長屋のみんなに愛されている中山安兵衛(のちの堀部安兵衛)が、高田馬場で果たし合いをする叔父の助太刀に向かう……というこのお芝居は、安兵衛を演じる市川染五郎さんを始め出演者の皆さんが、高田馬場に向かって(まあつまりは舞台の上で)とにかく走る、走る、走る。その走りっぷりがなんともみごと。ブレヒト幕を使った場面転換のすばやさもみごと。痛快でスピーディで、そして三谷作品がいつもそうであるように、ハート・ウォーミングなお芝居でした。
 『THE有頂天ホテル』もそうですけど、三谷氏の作品は、観終わった後いつも、生きていることが、嬉しくなります。「人間て、捨てたもんじゃない」という気持ちにさせてくれます。その気持ちを味わいたくて、せっせせっせと通うわけであります。
 安兵衛はのちに、赤穂四十七士の一人として吉良邸に討ち入り、その後切腹。三十四歳の波乱の生涯を終えます。
人の生き方というのは、時代背景や、出生の事情や、さまざまなしがらみから「そうするしかなかった」ということもあるでしょうが、でもやはり最終的には、その人自身が選んでいるものなのだと私は思います。

 さて、GW。映画館も劇場も名所も混み混みだろうなあ……。次にいくライブは五月の中旬だし……。ということで、私の予定はといえば、うずだかく積もった本の整理と、遅れているお仕事をせっせとします。あ、でも、美術館はいこうっと。そんな感じで、昨年と同じく地味連休。ああ、一生、過激な生き方なんてできそうにないです(笑)。

 さて、過激であってもそうでなくても、皆様、どうかよいGWをおすごしくださいね!  

# by makisetsu | 2006-04-28 18:00 | 映画・舞台の感想など | Comments(0)  

表参道ヒルズ

b0109481_1222657.jpg そうそう、混んでいるといえば。これも平日の昼間ですが、このあいだ原宿に用事があって、その帰りに寄った「表参道ヒルズ」。オープンから数ヶ月経っていますからそろそろすいてるかと思いましたが、とんでもない。がやがやぞろぞろがやぞろぞろ。私もそのぞろぞろの一人(笑)。やっと空いているお店を見つけました。でも私が入ったあと、またドドドと混んでましたが。
 3Fにある和カフェ「R style by 両口屋是清」。グリーンと木の色をベースにした落ち着いた雰囲気の店内。窓からは、表参道のケヤキ並木が見えます。
 煎茶ときんとんフロマージュをいただきました。きんとんフロマージュは、餡とクリームチーズを組み合わせたお菓子。和と洋が絶妙なバランスで溶け合い、あら、おいしい。隣の席の人が食べていた江戸前おはぎもおいしそうだったなあ。次にいったときに食べようっと。
 ヒルズには、ほかにもスウィーツのお店がいろいろあります。ファッションじゃなくて、そっちばかりチェックしていました。クッキーとキャンディとケーキを買って帰ってきました。体重注意(笑)

# by makisetsu | 2006-04-28 17:50 | 旅・お店情報など | Comments(0)